“pur” はドイツ語で「純粋な、混じり気のない」などの意味で( “Reine” にも同じような意味があります)、日常的には “Apfelsaft pur”(炭酸なしのリンゴジュース)のように使います。曲目から共演者まですべて自分で選び、だんだんと形を取り始めてきた「私の音楽」を熟成させていくことができれば……という願いを込めました。
一本筋の通ったシリーズを目指す一方、今日のこの味わいは今日だけのもの。ホールという巨大なグラスを満たす音の世界を、ご来場くださった皆様にお楽しみいただけましたら幸いです。
助成 公益財団法人日本室内楽振興財団
2015年7月18日(土)17:00
トッパンホール(飯田橋、江戸川橋、後楽園)
シューベルト:弦楽三重奏曲第1番
ベートーヴェン:弦楽三重奏のためのセレナーデ
モーツァルト:ディヴェルティメント KV563
~アンコール~ | ヨハン&ヨーゼフ・シュトラウス:ピツィカート・ポルカ ヨーゼフ・ランナー:ウィーンのレントラー |
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公益社団法人日本演奏連盟 山田康子奨励・助成コンサート
2014年11月28日(金)19:30
ソノリウム(永福町)
ゴルトマルク:チェロ・ソナタ
フランツ・シュミット:ハンガリー民謡による3つの小幻想曲
コダーイ:チェロ・ソナタ Op.4
ポッパー:ハンガリー狂詩曲
~アンコール~ レハール:唇は語らずとも(「メリー・ウィドウ」より)
ピアノ 金子薫
ワルツ《美しく青きドナウ》で旅人を迎えてくれるブダペストの街、驚くほど端正に奏でられるジプシー音楽……現地で聴くハンガリーの音風景には、日本で抱いていたエキゾチックなイメージと大きく異なる面がありました。「真にハンガリー的なものとは?」ゴルトマルクの《チェロ・ソナタ》など、オーストリア=ハンガリー二重帝国時代の作品を集めることで、その一端に迫ります。
後援:公益社団法人日本演奏連盟
2014年4月19日(土)14:00
トッパンホール(飯田橋、江戸川橋、後楽園)
ベートーヴェン:「魔笛」の主題による7つの変奏曲
ブラームス:2つの歌曲
ロンベルク:オーストリア民謡によるディヴェルティメント
シュトルツ:ウィーンの森に出かけて
リヒャルト・シュトラウス:ロマンス
フェルステル:3つの夜想曲
ショパン:「悪魔ロベール」の主題による大二重奏曲
菅野祥子:春なのに
~アンコール~ 菅野祥子:波雫(なみだ)
メゾソプラノ 菅野祥子 ピアノ 金子薫
東日本大震災から3年――陸前高田出身の歌手、菅野祥子さんと一緒に、フェルステルの《3つの夜想曲》や、震災直後に菅野さんご自身が作詞・作曲した《春なのに》などを演奏します。タイトルの通り、チェロとピアノのデュオもみな「歌」を表した名曲ばかり。国立歌劇場を中心とした楽都ウィーンの魅力を、“歌う楽器”チェロが余すところなくお伝えします。
2013年11月15日(金)19:30
ソノリウム(永福町)
アイネム:無伴奏チェロのための音楽
鳥の歌(カタルーニャ民謡)
コッホ:無伴奏チェロのための古い様式の小組曲
オッフェンバック:ドニゼッティ「愛の妙薬」の旋律集
マレ:スペインのフォリア
~アンコール~ シュルツェ:アイリッシュ(チェロ・アラウンド・ザ・ワールドより)
バッハの6曲の組曲を除いては、一般的なレパートリーの少ない無伴奏チェロ……けれども、心をこめて探してみれば、まだ日本で知られていない素敵な作品があるのです!今回は、アイネムの《無伴奏チェロのための音楽》など、オーストリアと何らかのつながりを持つ5曲を取り上げます。Reine pur 限定?の色彩豊かな「ソロ」を、どうぞお聴き逃しなく。
2013年5月21日(火)19:00
東京文化会館 小ホール(上野)
ツェムリンスキー:チェロ・ソナタ
クライスラー:美しきロスマリン、愛の悲しみ、愛の喜び
ヒンデミット:幻想小品
ドヴォルジャーク:ソナチネ(チェロ版)
~アンコール~ ペーター・バルツァバ:チェロ・ソナタより第2楽章
ピアノ ペーター・バルツァバ
Reine pur の記念すべき第5回にお聴きいただくのは、ウィーンにゆかりがあり、なおかつアメリカに渡った天才たちの作品です。没後50年を迎えるヒンデミットの《幻想小品》から、巨匠エドゥアルト・メルクス氏の薫陶を受けた「チェロ版」クライスラーまで――ウィーン国立音大のペーター・バルツァバ教授をお迎えし、“音楽の都の今”をお届けしたいと願っています。
後援:駐日オーストリア大使館、チェコ共和国大使館、ブルガリア大使館、日墺協会、公益社団法人 日本演奏連盟
2012年11月9日(金)19:15
ムジカーザ(代々木上原)
ハイドン:二重奏曲
アルブレヒツベルガー:二重奏曲第3番
シュルホフ:二重奏曲
ベートーヴェン:3つの二重奏曲より 第2番(ヴァイオリンとチェロのための編曲版)
コダーイ:二重奏曲
~アンコール~ シベリウス:水のしずく
ヴァイオリン 大林修子
「デュオ」と題した今回の Reine pur は、NHK交響楽団のヴァイオリニスト大林修子さんをお迎えし、ヴァイオリンとチェロの音の対話をお届けします。ウィーン音楽の核とも言える“室内楽”を、この街にゆかりのプログラムで――相手をしっかり支えたり、仲良く一緒に歌ったり。珍しい編成に取り組むことで、チェロの新たな魅力をお伝えできましたら幸いです。
sonorium共催シリーズ2012『映像と音楽』
2012年6月8日(金)19:30 6月9日(土)14:00 (2回公演)
ソノリウム(永福町)
ドヴォルジャーク:森の静けさ
モシェレス:チェロ・ソナタ
ヤナーチェク:おとぎ話
ポッパー:森の中で
~アンコール~ ドヴォルジャーク:ユーモレスク
ピアノ 金子薫
ホールの壁一杯に映し出される緑の森をバックに、自然の息吹や命の鼓動に満ちた《森の静けさ》を演奏する――共催シリーズ『映像と音楽』のお話を伺って、まず心に浮かんだのはそんなイメージでした。チェコに生まれ、「音楽の都」ウィーンとも深い関わりを持つ4人の作曲家たち。緑色を基調とした現地の写真にいざなわれ、チェコへの音楽の旅に出かけてみませんか?
後援:チェコ共和国大使館、CZECH CENTRE TOKYO、日本チェコ協会
2011年12月16日(金)19:30
ソノリウム(永福町)
ディートリヒ:チェロ・ソナタ
シューマン:アダージョとアレグロ
バルギール:アダージョ Op.38
ブラームス:チェロ・ソナタ第1番
~アンコール~ シューマン:インテルメッツォ(F.A.E.ソナタより)
ピアノ 金子薫
シューマンが若きブラームスを世に送り出した、熱烈な紹介記事「新しい道」。その中に「向上めざましい芸術家たち」として名を連ねるディートリヒとバルギール(クララ・シューマンの異父弟)の知られざる名曲が、両巨匠の対話を美しく彩ります。思いがけないシューマンの病死、深い悲しみを乗り越え、音楽の輝かしい未来を信じて……ブラームスは単身、ウィーンを目指します。
2011年6月2日(木)19:15
サロン・テッセラ(三軒茶屋)
ハイドン:アダージョ(交響曲第13番より)
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第3番
ダンツィ:「ドン・ジョヴァンニ」の主題による変奏曲
パラディス:シシリエンヌ
フンメル:チェロ・ソナタ Op.104
~アンコール~ モーツァルト:アンダンティーノ KV374g
ピアノ 金子薫
CD「赤いはりねずみ」の発売から1年余。長期的な発展を目指し、“Reine pur”と題したシリーズ公演を始めることになりました。
“pur”はドイツ語で「純粋な、混じり気のない」などの意味で(“Reine”にも同じような意味があります)、日常的には“Apfelsaft pur”(炭酸なしのリンゴジュース)のように使います。曲目から共演者まですべて自分で選び、だんだんと形を取り始めてきた「私の音楽」を熟成させていくことができれば……という願いを込めました。
記念すべき第1回は、「モーツァルトの影法師」という副題をつけたユニークなプログラム。チェロ・リサイタルには珍しい“モーツァルト”を陰の主役として、彼と交友を持った作曲家たちの作品を集めてみました。ぎゅっと搾りたて(?)の新シリーズを、是非味わいにいらしてください。